田中
本日はよろしくお願します。
まずは、生年月日とご出身地をお願いします。
また、子供の頃、熱中した事や趣味はありましたか?

西村氏
1950年4月26日生まれ。
出身は佐賀です。

小さい頃から機械いじりが好きで、それで機械関係の仕事をやりたいという事で、大学も機械工学に行きました。

田中
では将来何になるとかは?

西村氏
その頃は機械の設計技師になりたいと思って、大学卒業後は普通の商社に入ったわけです。
全国あちこち北海道、東北、九州でいえば大分とかに工場とか営業所があったんで、退職するまで出張が多かったですね。
仕事の内容としては、技術エンジニアだったので機械設計したり、だいたいプラント設計が主でした。

田中
ではパティシエを志したきっかけとかは?

西村氏
そうしているうちに、自分の中で同じ技術としても何か他の技術で活かしたいと思うようになったんです。
それで、たまたま兄が洋菓子店をやっていたもんですから、それで「これだ」と思いましてね。

30歳で脱サラしまして、この道に入ったわけです。
だからまるっきりこういう仕事は素人で、ゼロからの出発でした。

田中
それはまた畑違いの道に進まれたんですね。
ご家族の反対はありませんでした?

西村氏
その時に、子供も3人いたんですが、不思議と家内は反対はしなかったですね。
将来50か60になった時に「俺はあの時にこうしたかった、ああしたかった」と言われないように、「どうぞ、おやり下さい」って感じでした。

田中
ある程度の収入もあったわけですよね。
それでまたよく理解をされましたね。

西村氏
収入は半分になりました。
初めは兄の洋菓子店にお世話になり、だいたい3年くらいで独立するつもりでしたけど。
考えが甘くて、やっぱり全てを覚えるのに5年かかりましたね。
その間に講習会に行ったり、いろんな洋菓子店で勉強させて頂きました。

田中
30歳でご家族もいらっしゃるので、仕事に対する姿勢も違うと思いますが?

西村氏
そうですね。
自分で言うのもなんですが、兄のところで5年間は一度も休まず、講習会もあらゆる講習会に全部行きました。
それは自分が決めてこの道に入ったので、
1日でも早く覚えて独立しないとどうしようもなかったですからね。

田中
修業時代の5年間というのは、辞めたいという気持ちはなかったですか?

西村氏
それはなかったですね。
もう追いかけられていましたね。
まず第一に家族を養っていかないといけないのが一番でした。

田中
それでは、修業されて5年後に独立されたわけですね。
開業の時にこの場所に決まったのは?

西村氏
いろんな方の助けもあって独立できたようなもんです。
ここに決めたのは、子供のために「学校が近い」というのが家内の第一条件でした。
でも、当時は学校以外は何にもない所でした。
住宅街で何もなくて、でも学校が側だったからまあいいだろうという事で、それだけで決めたんです。

田中
それでオープンされたのがいつですか?
また、オープン当初はどうでした?

西村氏
1985年の9月7日です。
最初は従業員もいないので、2人からのスタートでした。
それで、開店当初は結構お客様に来て頂きまして、
夜中の2時くらいまでやって、朝5時くらいからまた仕事と、「休みなしで」一年間しました。

その後、従業員も増えたので、普通の生活に戻る事ができました。
お陰さまで2008年で23年目になります。

田中
どうですか、この23年間を振り返って。

西村氏
振り返ったら、飛び跳ねた時期もあったし、あんまり飛び跳ねすぎて、ボロボロになったのかもしれないなというのもありますね。
この23年間は短かったですね。短いってことは充実していたと言う事なんですね。
自分がやりたい事をやらせてもらったと、家内に感謝していますね。「それがね、一番」

そこで、「やめて」って言われたら、やめていたでしょうね。
やっぱり商売というのは家族の理解がないと本当にやれませんね。

田中
黒崎の井筒屋に入られたのは何年ですか?

西村氏
井筒屋が移転して来た時に、お話しがあって、7年前ですので2001年です。

田中
菓子職人にとって大切な事は?

西村氏
「熱意と情熱!」ですね。
若い時にいろんな事を経験し、いろんなものを見たりして、人間形成が出来ると思うんですよ。
ケーキ作りでもその中でちょっとしたデザインとか、芸術性ですから、そういう感性を磨かないといけないと思います。


田中
これから菓子職人になろうとしている人にアドバイスを。

西村氏
感性を養って、人生無駄な事は何一つないって事です。
私は昔、技術者として機械をやっていて、それで機材の少しの故障なら自分で直せますし、無駄な事はひとつもないと、ただ中途半端にやったら中途半端に終わるので、中途半端に一日一日を過ごさないようにすれば、将来その仕事をしなくても、何かに役に立つんじゃないかと思いますね。

そして、色んな人に会うという事、それで、感化される。
俺は俺、お前はお前じゃなくて、「そういう考え方も良いですね」とその中に感動するというのが一番必要なのかと思いますね。
それが感性を磨くことにも繋がっていくと思います。

田中
本日はありがとうございました。