田中 
                  お店の中庭に大きな木がありますけど、この木は最初からあったんですか? 
                   
                    杉岡氏 
                  それがですね。ここに決めたのもこの木があったからなんです。この木を切らずに設計して頂いたんです。 
                   
                    田中 
                オープンされた当時のお話をお願いします。 
                 
                  杉岡氏 
                    最初の旧店舗のお店ですが、1年間は睡眠時間が2時間でしたので、スポーツ好きで、頑丈な体でも・・きましたね。 
                    半年後にはアルバイトが2名ほど入りましたが、私はほとんど徹夜の連続でした。 
                     
                    そうしたら、翌年の9月にちょうど1週間、夏休みを取ってキャンプに行こうってなったんです。でも朝起きると激しい頭痛がして、キャンプどころじゃなかったんです。 
                    2日目に入院ですよ。「髄膜炎」です。脊髄に風邪の菌が入ってしまい、もう生死をさ迷いました。危篤が3日間続き、薬がなくて、注射も出来なくて、本人の体力しかなくて助かっても植物人間か脳に障害が残るって言われたらしいです。医者が99%駄目でしょうと危篤の時には妻や両親も揃ってたんだそうです。 
                     
                    何とか危篤状態を脱し、お陰様で40日間の入院で無事退院することが出来て本当にありがたかったです。 
                    その辺から自然と「ありがたさ」とか「感謝」とかの言葉が出てきました。 
                    そういった面ではこの21年はいろんな事がありました。 
                     
                    お陰さまで2008年で創業21周年です。「感謝」です。 
                   
                田中 
                  杉岡シェフがよく「感謝」と言われる訳が分かりました。 
                  それでは菓子職人にとって大切な事とは? 
                   
                杉岡氏 
                  何でも面倒くさいと思わないことです。 
                  お客様の目線で考える事、お菓子屋はただお菓子を作って売るだけではないです。少しでもお客様の気持ちにお応えする事ですね。 
                   
                田中 
                  今後パティシエになる方へのアドバイスをお願いします。 
                   
                杉岡氏 
                  まず、人間の基本である「素直さ」です。 
                  仕事に対する向上心これだけ持てば大丈夫です。 
                   
                  田中 
                  本日はありがとうございました。 
                   
                     
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